作曲家 湯山昭氏の作品に、”お菓子の世界”という組曲があり、その中に、”むし歯”(間奏曲1)という曲があるというので、先日聞いてみました。
虫歯菌が、あ、痛い!から意に反して跳ね回り、狼狽している様がコミカルに描かれていて面白い!と思いました。
むし歯になってしまった当事者としては、コミカルどころか深刻な問題で、ある患者さんは、”殺してくれ~”と言いたいほど痛かったと言われてました。
虫歯の痛みが一番和らぐ、という音楽があるそうで、何だと思いますか?調査対象によって多少違うとは思いますが。
ベートーヴェンの”月光の曲”なのだそうです。しかし、あの有名な、静かな第一楽章でなく、超アップテンポの第三楽章なのだそうです。
もし不幸にもむし歯になってしまって、耐え難い痛みに襲われたら聴いてみられたらいかがでしょうか?
それは勿論、そういうことにならないようにしないといけません。
むし歯に少しでもなりにくいようにするにはどうしたらよいか?一つはフッ素の利用です。例えば我が国でもフッ素入りの歯磨き剤は多く発売されております。ただ我々日本人はせっかくフッ素入り歯磨き粉を使っても、歯磨きの後にきれいにうがいしてしまう習慣があります。それだとせっかくフッ素入り歯磨き剤を使っても効果があまりなくなってしまいます。正しい歯磨きは、フッ素入り歯磨き粉を使ったらうがいを控えることです。ただなかなか習慣を変えるのは簡単ではありません。歯科医院で定期的にフッ素を塗ってもらうのもいいと思います。
また、食後30分以内に歯磨きすると、歯の表面が溶けたり削れたりしやすいので、歯磨きは食後すぐしてはいけない、という説がかつて流布されました。確かに試験管の中ではそうかもしれませんが、現在ではやはり食後なるべく早く歯磨きをするのがいいということになってきています。
口腔衛生意識の向上により、昔と比べて虫歯は減ったかと思われる方も多いと思います。確かに子供のむし歯は減りましたが、成人のむし歯は減ってはいないそうです。
虫歯を少しでも減らすにはどうしたらよいか?虫歯予防についての研究もいろいろされており、当院でも最新の虫歯予防プログラムを提供できるように日々研鑽しております。
痛くなってから歯科医院に行くのではなく、むし歯にならないようぜひ定期的にご来院ください。
参考文献 天野敦雄 久保庭雅恵 著 歯科衛生士のためのカリオロジーダイジェスト