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キスにご用心

これは聞いた話ですが、あるカップルが濃密なキスをしていて、それはそれでよいのですが、お相手さんがしていた入れ歯を飲み込んでしまったそうです。さあ大変!手術して取り出さないといけないか?と真っ青になりましたが、数日後トイレで無事出て来たそうです。

入れ歯は使っているうちにゆるくなってくるので定期検診は欠かせません。特に入れ歯のばねは、ゆるくなりがちです。

実はばねのない入れ歯というものがあるのです。ばねがないとさぞかしゆるゆると思われる方もあるかと思いますが、逆にばねがない分歯と歯ぐきに密着するように作るので、簡単には外れないのです。

入れ歯のばねは実は咀嚼運動の障害物になることがあるということが、大阪大学名誉教授丸山剛郎先生の研究により明らかになりました。特に歯並びから盛り上がった部分がそうなります。ばねがぴったり歯列に入るようにあらかじめ歯に形成をしておけばいいのですが、多くの場合不十分になりがちです。

いや、別に問題なく入れ歯をして食べているよ、という方も多いと思います。しかし咀嚼運動というものはいわゆる慣れがあって、無意識に障害物を避けるように咀嚼するようになります。その異常咀嚼運動が、様々な不定愁訴につながることが多いのです。

私は保険の入れ歯のばねは将来的には過去の遺物になるのではないかという未来予想をしています。ちなみにばねのない入れ歯は、ノンクラスプデンチャー、うちの歯科医院でよく出している技工所では、キレイデス、という商品名をつけていますが、保険適応外の入れ歯となります。保険の入れ歯より軽くて割れにくく、ばねがないため入れ歯をしていると気が付かれず快適です。

ここでちょっと歯周病のお話も。

人間が生まれたときはお口の中に歯周病菌はいないのです。それが多くの人に、歯周病菌が大人になると定着するのです。大きな要因の一つはパートナーとのキスなのだそうです。

話は戻りますが、ではキスのときには入れ歯を外してすればいいのではないか?となります。面積の小さい入れ歯ならそれでいいかもしれませんが、やや大きい入れ歯はどうでしょうか?入れ歯を外すと顔貌も変わってしまいます。また発音も不明瞭になってしまうことがあります。そもそも我を忘れてするキスの前にわざわざ入れ歯を外すでしょうか?

えっ、これを書いているあなたはどうなのかって?そんなこと知りません。

皆様がパートナーの方といつまでもお幸せに過ごすことを祈っています。

 

 

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